清流と湖、滝を巡る秋の一日
栃木県北部に広がる那須高原。雄大な山々の麓には、清らかな渓流や静かな湖、緑に包まれた滝など、豊かな自然が点在しています。
今回は愛車のHonda ADV160で、そんな那須高原を巡る日帰りツーリングに出かけました。
最初に訪れたのは、透明度の高い清流が流れる木の俣園地。続いて、山々に囲まれた深山湖へ向かい、囲炉裏端で味わう自然料理を楽しんだあとは、乙女の滝や南ヶ丘牧場、那須温泉神社、殺生石へと足を延ばします。
旅の終盤には、夕暮れの駒止の滝にも立ち寄りました。
予定どおりに進まない場面もありましたが、それもまたツーリングの醍醐味。那須高原のさまざまな表情に触れた一日を、写真とともに振り返ります。
English Summary
▼ English Summary
Exploring Nasu Highlands by Honda ADV160 — A Scenic Autumn Day Trip
I took a day trip on my Honda ADV160 through the Nasu Highlands in Tochigi Prefecture, a region known for its beautiful streams, peaceful lakes, and scenic waterfalls.
My journey began at Kinomata Park, followed by a visit to the tranquil Miyama Lake. After enjoying a traditional meal by a sunken hearth, I continued to Otome Falls, Minamigaoka Farm, Nasu Onsen Shrine, and Sessho-seki (Killing Stone), a site associated with the legend of the nine-tailed fox.
As evening approached, I made one final scenic stop at Komadome Falls.
Although the trip didn’t go entirely as planned, the unexpected detours became part of the adventure. Join me as I look back on a memorable day exploring the natural beauty of Nasu through photographs.
📸 今回の見どころ
🌿 木の俣園地|清流と巨岩吊橋を巡る散策
那須高原ツーリングで最初に訪れたのは、那須塩原市にある「木の俣園地」です。
平日の穏やかな天候に恵まれ、園内を訪れる人もまばら。木漏れ日の差し込む遊歩道を歩きながら、静かな森の空気を楽しみました。

無料駐車場にはバイク専用の駐輪スペースもあり、ツーリング途中に立ち寄りやすい場所です。
駐車場から木の俣川の左岸沿いに約700m歩くと、巨岩吊橋に到着します。
遊歩道のすぐそばを流れる木の俣川は、驚くほどの透明度。日差しを受けた水面はエメラルドグリーンに輝き、川底の石まで見通せるほどでした。

巨岩吊橋からは、大きな岩の間を流れる清流と、周囲を包み込む深い緑を眺めることができます。
橋を渡った後は、対岸の遊歩道を通って駐車場へ戻る周遊コースを歩きました。

森と渓流の景色を異なる角度から楽しめる、気持ちのよい散策路です。
ところが、駐車場へ戻ったところで小さなトラブルが発覚。
ザックのショルダーベルトに取り付けていた、Ulanzi MT66のベルクロストラップがなくなっていたのです。
どうやら散策中に落としたらしく、再び歩いてきた道を探すことに。幸い、しばらく戻ったところで発見し、無事に回収できました。
美しい清流に癒やされ、最後には思いがけず追加のウォーキングまで楽しむことになった木の俣園地でした。
🏞️ 深山湖|山々に囲まれたエメラルドグリーンの湖
木の俣園地を後にして、県道369号(黒磯田島線)をさらに山奥へと進みます。
途中、木の俣地蔵の駐車場を左手に見ながら走り、次に訪れたのは「深山湖(みやまこ)」です。
深山湖は、深山ダムによって造られた人造湖。周囲を深い山々に囲まれ、青空の下にはターコイズブルーの美しい湖面が広がっていました。

ダム周辺から眺める湖は、山並みが幾重にも重なり、静かな水面との組み合わせが印象的です。
一方、ダム本体に目を向けると、巨大なコンクリート構造物と水門設備が並びます。

雄大な自然と人工の構造物が隣り合う風景も、ここならではの見どころでしょう。
周辺の観光案内板がある場所ではADV160を停めてひと休み。

湖畔の景色を眺めながら、しばし静かな時間を過ごしました。
その後は再びADV160に乗り、深山ダムを渡ってさらに奥へ。
途中、右手に「森の発電おはなし館」を見ながら進むと、木々に囲まれた道の先に深山橋ゲートが現れました。
ゲートから三斗小屋方面へ少し進んでみましたが、今回は途中で引き返すことにしました。
なお、県道369号は深山橋ゲートから福島県境まで通年通行止めとなっており、この道を利用して福島県側へ抜けることはできません。また、冬期にはゲート手前の区間も通行止めになるため、訪問時には最新の道路規制情報を確認する必要があります。
木の俣園地の清流とはまた違った、山深い湖ならではの静けさ。
那須の自然の豊かさを、改めて感じるひとときでした。
🍲 テンカラ(天空)自然料理の店|囲炉裏端で味わう自然料理
深山湖を後にし、県道369号を戻って、そろそろ昼食の時間です。
今回訪れたのは、那須高原スカイライン沿いにある「テンカラ(天空)自然料理の店」。
県道266号を走っていると、道路脇に「テンカラ 魚と肉」と書かれた小さな案内看板が現れます。そこから砂利道へ入ると、緑に囲まれた昔ながらの木造家屋が見えてきました。
外観は一般の民家そのもの。知らなければ、ここが料理店だとは気づかないかもしれません。

店内に足を踏み入れると、太い梁や木の柱に囲まれ、いくつもの囲炉裏が並ぶ独特の空間が広がっていました。

テーブルや椅子ではなく、囲炉裏を囲んで食事をいただくスタイルです。訪問時はほかにお客さんの姿もなく、静かな店内でゆっくり過ごすことができました。
案内された囲炉裏の近くには、書画や俳句の表彰状も飾られています。ご主人の趣味や人柄がうかがえる、個性的なお店です。

さて、手書きのメニューを眺めながら注文したのは、親子丼定食(1,600円)と鮎の塩焼き(700円)。
川魚はイワナにも心を引かれましたが、今回は鮎を選びました。
最初に運ばれてきたのは、定食に付く3品の小鉢。たけのことフキの煮物、ちくわや山菜などの煮物、そして漬物です。
どれも素朴な家庭料理を思わせる品々で、山里の食事らしい温かみがあります。
続いて登場した親子丼には、地鶏や玉ねぎ、きのこがたっぷり。大きめに切られた鶏肉は歯ごたえがしっかりしており、具材の旨味と相まって、実においしい親子丼でした。
さらに驚いたのが、汁物として付いてくる手打ちうどんです。小さなお椀ではなく、こちらも一人前ほどありそうな丼で提供されます。
小鉢も含めると、なかなか食べ応えのある定食です。
そして最後に、追加注文した鮎の塩焼きが到着。川魚まで揃い、すっかり豪華な昼食になりました。

親子丼定食と鮎の塩焼きで合計2,300円。 決して安価な昼食ではありませんが、料理の内容やボリューム、囲炉裏のある古民家で過ごす時間まで含めれば、十分に満足できるものでした。

観光地の一般的なレストランとは異なり、建物の雰囲気も料理も、このお店ならではの魅力があります。
また那須を訪れる機会があれば、立ち寄りたいと思える一軒でした。
※価格は2026年9月訪問時のものです。
💧 乙女の滝|緑に包まれた美しい滝壺
昼食を終えて、次に向かったのは那須塩原市にある「乙女の滝」です。
木々に囲まれた散策路を下っていくと、次第に水の流れる音が大きくなり、緑の中に白い滝が姿を現します。
乙女の滝は、沢名川にかかる落差約10m、幅約5mの滝。高さだけを見れば決して大きな滝ではありませんが、岩壁を幅広く流れ落ちる水は、なかなかの迫力です。

滝壺の近くまで進むと、水しぶきとともにひんやりとした空気が感じられました。周囲の岩や木々が深い緑に包まれ、滝の白さがいっそう際立ちます。

また、滝の周辺では、木々の間から差し込む日差しが渓流を照らし、苔むした岩の上に美しい光の筋を描いていました。

勢いよく流れ落ちる滝と、静かな森を流れる清流。同じ場所にありながら、対照的な風景を楽しめるのも魅力です。
なお、「乙女の滝」という名前には、若い女性がここで髪を洗っていたという説や、流れ落ちる水が乙女の髪のように見えるという説などが伝えられています。
森の中にひっそりと佇む滝ですが、滝壺付近まで歩いて近づくことで、その美しさをより身近に感じることができました。
🍦 南ヶ丘牧場|濃厚ソフトクリームでひと休み
乙女の滝を後にして、次に立ち寄ったのは那須高原の人気観光スポット「南ヶ丘牧場」です。入場無料で気軽に立ち寄れるのも魅力のひとつです。

園内には牧場売店や飲食施設、動物とのふれあいを楽しめるエリアなどがあり、この日は家族連れや団体客でにぎわっていました。緑に囲まれたコースでは、スタッフに付き添われながらロバに乗る来場者の姿も見られ、のどかな高原の風景が広がっていました。

今回のお目当ては、牧場名物のソフトクリーム。選んだのは、通常のソフトクリームより100円高い「プレミアムソフト」(600円)です。

ひと口いただくと、ミルクの濃厚な味わいが口いっぱいに広がります。通常のソフトクリームとの違いもはっきり感じられ、100円の価格差ならプレミアムを選ぶ価値は十分にあると感じました。
清流や滝を巡る自然散策の合間に、牧場で味わうちょっと贅沢なソフトクリーム。短い滞在でしたが、那須高原らしいひと休みとなりました。
※価格は2026年9月訪問時のものです。
⛩️ 那須温泉神社と殺生石|歴史と九尾の狐伝説
南ヶ丘牧場でひと休みした後は、那須温泉神社へ向かいました。
ところが、ここで思わぬ道草を食うことに。
Googleナビの目的地設定がまずかったのか、案内されたのは神社とは似ても似つかない、人里離れた場所。道を間違えたことに気づいて引き返すことになり、結局、約1時間を失ってしまいました。
後になって思えば、九尾の狐に化かされたような出来事です(笑)。
ようやく神社の大鳥居前にある駐車場に到着した頃には、日もだいぶ西に傾いていました。
気を取り直して石段を上り、木々に囲まれた参道へ。石鳥居の向こうには石灯籠が並び、先ほどまでの慌ただしさが嘘のような、静かな空間が広がっています。

参道の途中で目を引いたのが、推定樹齢800年とされる御神木「生きる」です。
幹の一部は大きく傷み、長い年月の厳しさを物語っています。それでもなお、力強く枝を伸ばし、緑の葉を茂らせている姿が印象的でした。
800年という歳月を生き抜いてきた古木。その姿を眺めていると、自然の生命力というものを改めて感じさせられます。

さらに参道を進んで拝殿に到着。賽銭を納め、参拝を済ませました。

続いて訪れたのは、神社の近くにある「殺生石」です。
殺生石には、人々に災いをもたらした九尾の狐が退治され、石に姿を変えたという伝説が残されています。

また、2022年3月には殺生石が二つに割れていることが確認され、大きな話題となりました。
周囲には大小の岩石が散在し、草木に覆われた神社の境内とは対照的な、荒涼とした景観が広がっています。

神秘的な伝説が生まれたのも、こうした独特の風景と無関係ではないのかもしれません。
ひと通り見学を終えると、再び神社へ戻り、社務所で御朱印をいただきました。

予定外の遠回りで貴重な時間を失ってしまいましたが、歴史ある神社と九尾の狐伝説の舞台を訪ねることができました。
🍁 駒止の滝|夕暮れ迫る渓谷の絶景
那須温泉神社と殺生石を後にして、次に向かったのは「駒止の滝」です。
観瀑台の駐車場に到着したのは午後4時25分頃。那須温泉神社へ向かう途中で思わぬ遠回りをしたこともあり、予定よりすっかり遅くなってしまいました。
駒止の滝は、余笹川の渓谷にかかる落差約20m、幅約2mの滝で、「那須第一の滝」とも称される景勝地です。
駐車場から観瀑台へ向かうと、眼下には木々に覆われた深い渓谷が広がっていました。
その中央を、白い滝が岩壁に沿って一気に流れ落ちています。滝壺の水は青みを帯び、周囲の深い緑とのコントラストが実に鮮やかです。

先ほど訪れた乙女の滝では、滝壺の近くまで下りて水の流れを間近に感じましたが、こちらは高い場所から渓谷全体を見渡す景観が魅力。滝の楽しみ方も、それぞれ異なります。
訪れたのは紅葉にはまだ少し早い9月下旬。周囲の木々はほとんどが緑色でしたが、その中にもわずかに秋の気配が感じられました。
紅葉が進めば、赤や黄色に染まった木々の間を白い滝が流れ落ちる、また違った美しい風景が広がることでしょう。
ところで、当初の予定では、この後に近くの北温泉で日帰り入浴を楽しむつもりでした。
しかし、北温泉の日帰り入浴の受付終了は午後4時30分。駒止の滝に到着した時点で、残りわずか5分という状況です。
さすがに間に合うはずもなく、今回の温泉入浴は断念することにしました。
Googleナビの思わぬ迷走が、ここでも響いてしまったわけです(笑)。
それでも、夕暮れが迫る渓谷で美しい滝を眺めることができたのは、十分に訪れた甲斐のあるひとときでした。
🍚 喜作本店からごはんや天神へ|最後はスタミナ焼肉定食
駒止の滝を後にして、いよいよ帰路へ。
当初は北温泉で日帰り入浴を楽しみ、その後、夕食は「喜作本店」でいただく予定でした。しかし、那須温泉神社へ向かう途中の思わぬ道迷いによって、スケジュールは大幅に遅れてしまいました。
帰り道には、まだ営業中だった「鹿の湯」の近くを通過。ここで温泉を優先するか、それとも予定していた夕食を優先するか、少し迷いました。
結局、喜作本店での食事を楽しみにしていたこともあり、温泉は諦めて先を急ぐことに。
ところが、午後7時30分前に喜作本店へ到着してみると、すでに閉店していました。
せっかく温泉を諦めて走ってきたのに、夕食までお預けとは……。なかなか思いどおりにはいかないものです(笑)。

気を取り直して、改めて食事のできるお店を探すことにしました。
そして、ようやくたどり着いたのが、小山市にある「ごはんや天神」です。
時刻はすでに午後8時過ぎ。ここで注文したのは、スタミナ焼肉定食(1,000円)でした。
熱々の鉄板には、豚肉と玉ねぎを炒めた焼肉がたっぷり。さらに、ご飯、サラダ、汁物、小鉢、漬物まで付いた、なかなか充実した内容です。

しっかりとした味付けの焼肉は、ご飯との相性も抜群。長い一日を走り終えた身体には、こうした食べ応えのある定食がうれしく感じられます。
この内容で1,000円なら、コストパフォーマンスも十分。予定していたお店ではありませんでしたが、満足のいく夕食となりました。

振り返れば、Googleナビに振り回され、温泉にも入りそびれ、楽しみにしていたお店にも間に合わなかった一日。
それでも、最後はおいしい夕食にありつくことができました。
旅は必ずしも予定どおりに進むものではありません。むしろ、こうした予想外の出来事こそ、後になって印象深い思い出になるのかもしれません。
終わりよければ、すべてよし。
……ということにしておきましょう(笑)。
※定食の価格は2026年9月訪問時のものです。
🏁 まとめ|予定外の出来事も旅の思い出に
木の俣園地の清流から始まり、深山湖の美しい湖面、乙女の滝、そして駒止の滝へ。今回の那須高原ツーリングでは、水と緑が織りなすさまざまな風景を楽しむことができました。
囲炉裏端でいただいた自然料理や、南ヶ丘牧場の濃厚なソフトクリームも、旅の楽しみに彩りを添えてくれました。
一方で、那須温泉神社へ向かう途中では道に迷い、予定していた温泉入浴を断念。楽しみにしていた夕食のお店にも間に合わず、計画どおりには進まない場面もありました。
それでも、歴史ある神社や九尾の狐伝説に触れ、最後はおいしいスタミナ焼肉定食で一日を締めくくることができました。
振り返ってみれば、予定どおりに進んだ場所も、思いがけず遠回りした道も、すべてが今回の旅の一部です。
次に那須高原を訪れるなら、今度こそ温泉でゆっくり身体を休めたいところ。
もちろん、そのときはGoogleナビの案内を鵜呑みにしないよう、十分気をつけたいと思います(笑)。
清流と湖、滝、そして少しばかりの珍道中。秋の那須高原を巡る、思い出深い一日となりました。


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