日本で海から一番遠い地点へ

榊山とクマ遭遇、ADV160でつなぐ旅

日本で、海から最も遠い場所はどこにあるのでしょうか。

その答えは、海のない長野県の中でも山々に囲まれた佐久市の山中にあります。

長野県佐久市の「日本で海岸線から一番遠い地点」に到達したShin
日本で海岸線から一番遠い地点に到着。海岸線までは約114.9km、長野県佐久市の山中にあります。

今回の「Shinちゃん寝る Mountain Walking」では、ADV160で長野県佐久市へ向かい、**「日本で海岸線から一番遠い地点」**を目指して歩きました。

林道からセンガ沢登山道をたどって海遠点に到達したあとは、さらに榊山(さかきやま)へ。しかし下山途中、思いがけずクマと遭遇。さらにルートを外して広い尾根をさまようという、予定にはなかった展開も待っていました。

無事に下山して到達認定証を受け取ったあとは、再びADV160へ。田口峠を越えて群馬県へ入り、途中で線ヶ滝にも立ち寄りながら帰路につきます。

歩いてしか行けない場所へは、自分の足で。
そこまでの道、そしてその先へはADV160で。

今回は、**Mountain WalkingとADV160 Touringがひとつにつながった、ちょっと濃すぎる一日(笑)**をご紹介します。

日本で海から一番遠い地点~榊山国土地理院地図
行程は短いですが、沢筋の足場の悪いところもありますので、しっかりした登山装備と熊対策をおすすめします。

English Summary

A journey to the point farthest from any coastline in Japan, located in Saku, Nagano. After approaching by Honda ADV160, I hiked to the remote point and Mt. Sakakiyama, encountering a bear along the way. The journey continued across Taguchi Pass to Sengataki Falls.

📸 今回の見どころ

🌊日本で海岸線から一番遠い地点へ

佐久市田口の山中にある「日本で海岸線から一番遠い地点」。
前日にADV160で周辺までやって来たものの、この日の主役はバイクから山歩きへとバトンタッチです。

林道入口付近にADV160を停め、ザックとトレッキングポールを手に歩き始めます。

目的地までは、沢に沿って延びる滝ヶ沢林道を進みます。木々に囲まれた道にはところどころ木漏れ日が差し込み、沢の流れる音を聞きながら歩く気持ちのよいアプローチです。

「日本一海から遠い地点」という名前から、もっと人里離れた険しい山奥を想像していましたが、前半は比較的歩きやすい林道が続きます。

日本一海から遠い地点の入口に停めたADV160と登山装備
ADV160で「日本一海から遠い地点」の入口へ。ここからはザックとトレッキングポールを手に、徒歩で海遠点を目指します。

目的地までは、沢に沿って延びる滝ヶ沢林道を進みます。木々に囲まれた道にはところどころ木漏れ日が差し込み、沢の流れる音を聞きながら歩く気持ちのよいアプローチです。

前半は比較的歩きやすい林道が続きますが、やがて林道から山道へ。途中では沢を渡る場所も現れ、少しずつMountain Walkingらしい道になってきました。

そして森の中を進んだ先に現れたのが、「日本で海岸線から一番遠い地点」の標柱です。

ここは1996年、国土地理院の調査によって特定された地点。周囲に海を感じさせるものはもちろん何もなく、聞こえてくるのは森の音ばかりです。

海から遠い――。

普段なら、それだけを意識することはほとんどありません。けれど実際に自分の足でここまで歩いてくると、「日本で最も海から離れた場所に立っている」という事実が、なんとも不思議に感じられます。

日本一海から遠い地点へ向かう滝ヶ沢林道と沢沿いの風景
沢の流れを横に見ながら、木漏れ日の差し込む滝ヶ沢林道を奥へ。静かな森の中を海遠点へ向かいます。
日本一海から遠い地点へ向かう登山道で沢を渡るShin
林道から山道へ入り、途中では小さな沢を渡渉。目的地が近づくにつれて、道も次第に山歩きらしくなってきました。

ADV160で山あいまで走り、そこから自分の足で歩いてたどり着いた日本一の海遠点。

絶景の山頂が待っているわけでも、派手な観光施設があるわけでもありません。それでも、「日本でここだけ」という場所を目指して歩くこと自体が、この日のひとつの目的でした。

そしてここから、もうひとつの目的地である**榊山(さかきやま)**へ向かいます。

長野県佐久市の日本で海岸線から一番遠い地点に到着したShin
ついに「日本で海岸線から一番遠い地点」へ到着。標高約1,200mの森の中に立つ標柱とともに、無事到達の一枚。

🌲 榊山へ足を延ばす

「日本一海から遠い地点」への到達を果たしたあと、せっかくここまで来たのでもう少し先へ。次は榊山を目指します。

海遠点から先は、観光スポットを訪ねるというより、再び静かな山歩き。樹林の中では、木に付けられたピンクテープを確認しながら進んでいきます

途中でたどり着いたのが榊山南峰。木に取り付けられた小さな山名標識がなければ、そのまま通り過ぎてしまいそうな静かなピークです。

日本一海から遠い地点から榊山へ向かう、ピンクテープを頼りに進む樹林帯の登山道
日本一海から遠い地点をあとにして、さらに榊山へ。ピンクテープを確認しながら静かな樹林帯を進みます。
榊山へ向かう途中にある榊山南峰の山名標識と樹林帯
榊山へ向かう途中で榊山南峰を通過。木に取り付けられた小さな山名標識がピークを知らせてくれます。

山頂も展望が大きく開ける場所ではありませんが、木々に囲まれた静かな空間です。

今回の一番の目的だった「日本一海から遠い地点」に加えて、榊山まで足を延ばしたことで、短いながらもしっかりと山歩きを楽しむことができました。

あとは来た道を戻って、ADV160の待つ登山口へ――。

……と、このときは普通に下山できると思っていました。

ところが、このあとの下山途中で思いがけない出会いが待っていました。

長野県佐久市の榊山山頂で山名標識の横に立つShin
榊山山頂に到着。日本一海から遠い地点から、さらに足を延ばしてたどり着いた静かな山頂です。

🐻 下山中、まさかのクマ遭遇

榊山から折り返し、来た道をたどって下山します。

ここまでは静かな山歩きでしたが、その途中、思いがけない出来事がありました。

前方に、クマの成獣を確認。

突然のことで、カメラを回し始めたときにはすでに少し距離が開いていましたが、木々の間を移動していく黒い姿を映像に残すことができました。

動画では木の茂みに隠れながら移動する姿が確認できます。

幸い、こちらへ向かってくる様子はなく、そのまま離れていきました。

とはいえ困ったことに、クマが去っていった方向が、こちらの下山方向。

迂回できるような場所でもないため、しばらく様子を見てから慎重に下山を再開しました。

山の中でクマと出会う可能性があることはもちろん分かっていましたが、実際に目の前で遭遇すると緊張感はまったく違います。

クマが十分に離れたことを確認してから、慎重に下山を再開しました。

ところが、これで一件落着――とはいきませんでした(笑)。

クマとの遭遇で意識がそちらに向いていたこともあったのか、その後、いつの間にか本来のルートを外れてしまいます。

このあたりは尾根全体が広く、斜面も比較的なだらか。どこでも歩けそうに見えるぶん、かえって進むべき方向がつかみにくい地形でした。

「あっちか? いや、こっちか?」と山の中を行ったり来たり(笑)。

沢筋へ下り込まないよう、できるだけ尾根筋をたどることを意識しながら、YAMAPの軌跡と現在位置を確認して進みます。

榊山からの下山途中で道を見失った広い樹林帯
クマをやり過ごして下山を再開したものの、今度はルートを見失うことに。広い樹林帯はどこでも歩けそうに見え、かえって進む方向を判断しにくい場所でした。
榊山からの下山時に道迷いした往路と復路の軌跡とクマ遭遇地点
水色が往路、緑色が復路。クマとの遭遇後、復路では往路から大きく外れて歩いていたことが軌跡にも残っています。

しばらく山中をさまよった末、ようやく本来のルートへ復帰。クマとの遭遇に続いて道迷いまで加わりましたが、最終的には無事にADV160を停めた場所まで戻ることができました。

日本一海から遠い地点の登山口へ無事下山し、ADV160と登山装備のもとへ戻った様子
クマとの遭遇、そして道迷いを経て、ようやくADV160の待つ起点へ無事帰還。ひとまずホッとした瞬間でした。

🏅 無事下山、そして認定証を受け取りに

下山後は佐久市臼田支所へ向かい、「日本で海岸線から一番遠い地点」の認定証を受け取りました。

佐久市臼田支所前で「日本で海岸線から一番遠い地点」の認定証を手にするShin
無事下山後、佐久市臼田支所で「日本で海岸線から一番遠い地点」の認定証を受け取りました。
佐久市観光協会臼田支部発行の「日本で海岸線から一番遠い地点」到達認定証
今回いただいた認定証は4951番。到達地点の標高は1,200m、最も近い海岸線までは約114.9kmです。

田口峠越えでのハプニング

ADV160で田口峠に到着した様子。田口峠の標識と山深い峠道
ADV160で田口峠へ。佐久から群馬方面へ、山深い峠道を越えていきます。
妙義荒船佐久高原国定公園にある田口峠の木製標識
長野県佐久市と群馬県南牧村を結ぶ田口峠。周囲には深い山並みが広がります。

佐久市臼田支所で認定証を受け取ったあとは、ADV160で田口峠を越えて群馬県側へ向かいます。

田口峠は、長野県佐久市と群馬県南牧村を結ぶ山深い峠。峠には「妙義荒船佐久高原国定公園」と記された木製の標識が立ち、周囲には緑濃い山々が広がっていました。

ここまで来ると交通量も少なく、道幅もぐっと狭くなります。ADV160ならこうした山道でも取り回しにそれほど苦労しませんが、急カーブが連続する区間では油断は禁物です。

峠で少し足を止め、写真を撮ってから群馬県側へ。

そして、この先の下り道では――
またしても、ちょっとしたハプニングが待っていました(笑)。

ADV160で田口峠の狭く曲がりくねった山道を走行する様子
田口峠を越えてADV160で下っていきます。道幅の狭いつづら折れが続く山道です。
ADV160で田口峠を走行中、カーブの先に現れた鹿
カーブを曲がった先に突然、鹿の姿が。山深い田口峠らしい思わぬ遭遇でした。

田口峠を越えると、群馬県側へ向かって山深い道を下っていきます。

道幅は狭く、カーブも連続。木々に囲まれて昼間でも薄暗い場所があり、ADV160でゆっくりと慎重に進みます。

そんな中、カーブを曲がった先に突然現れたのが一頭の鹿

こちらの姿に気づいて立ち止まった鹿と、一瞬お見合い状態に(笑)。山の中を走っていれば野生動物との遭遇は珍しいことではありませんが、見通しの悪いカーブの先となると話は別です。速度を抑えて走っていて正解でした。

この日は山歩きの途中でクマに遭遇し、今度は田口峠で鹿。ずいぶん野生動物に縁のある一日になりました。

🏞️ 山あいに佇む線ヶ滝

田口峠を越え、山深い道をさらに走って向かったのが、南牧村にある線ヶ滝です。

滝の入口に到着すると、観音像と大きな石灯籠が立つ静かな一角があり、ここにADV160を停めて滝へ向かいます。

線ヶ滝は、群馬県指定の天然記念物・名勝。現地の説明板によれば、断層に沿って形成された断崖から水が流れ落ち、現在のような細く直線的な姿がつくられたと考えられています。

「線ヶ滝入口」の案内から遊歩道へ入り、緑に包まれた道を下っていくと、やがて岩壁の間に白い水の流れが姿を現しました。

その名のとおり、まるで岩肌に一本の白い線を引いたように流れ落ちる線ヶ滝。

豪快に水しぶきを上げるタイプの滝とはまた違い、細く長い水の流れと周囲の岩壁、深い緑がつくる景観には、山あいならではの静かな美しさがあります。

田口峠の細い山道を走り抜けたあとのひと休み。
水の音を聞きながら眺める線ヶ滝は、この日のツーリングの中でも、ほっと気持ちを落ち着かせてくれる場所になりました。

群馬県南牧村の線ヶ滝入口付近にある観音像と石灯籠、駐車したADV160
田口峠を越えて線ヶ滝へ。観音像と石灯籠が立つ静かな一角にADV160を停め、滝へ向かいます。
群馬県指定天然記念物・名勝「線ヶ滝」の成り立ちを紹介する現地説明板
群馬県指定天然記念物・名勝の線ヶ滝。断層に沿って形成された断崖から流れ落ちる、特徴的な滝です。
緑に囲まれた線ヶ滝への遊歩道入口と「線ヶ滝入口」の案内標識
「線ヶ滝入口」の案内に従って遊歩道へ。ここから緑に包まれた道を滝へと下っていきます。
群馬県南牧村の断崖を細い一筋となって流れ落ちる線ヶ滝
岩壁の間を白い一筋となって落ちる線ヶ滝。その名のとおり「線」を引いたような美しい姿が印象的です。

🏁 再び「道の駅しもにた」へ

線ヶ滝をあとにして、今回の旅もいよいよ終盤へ。

ADV160を走らせ、この日最後の立ち寄り先となる**「道の駅しもにた」**へ向かいました。ここは往路でも立ち寄った場所。山歩きと峠越えを終えて再び戻ってくると、朝とはまた違った「帰ってきた」ような感覚があります。

この日は「日本で海岸線から一番遠い地点」への到達から榊山、下山途中でのクマとの遭遇と道迷い、認定証の受け取り、そしてADV160での田口峠越えから線ヶ滝まで、振り返ってみればずいぶん盛りだくさんの一日になりました。

そんな一日の最後は、まず冷たい**伊藤園「レッドレモネード」**で喉を潤します。

トマト1個分を使用したトマト汁にレモン果汁と食塩を加えた、ちょっと変わった一本。山歩きとツーリングのあとに飲む冷たい飲み物は、それだけでもほっとします。

そして、遅めの軽食に選んだのはピザトースト

道の駅しもにたで伊藤園のレッドレモネードを飲みながら休憩する様子
再び「道の駅しもにた」へ。冷たいレッドレモネードで、まずはひと息。
道の駅しもにたの食事処でピザトーストを食べながら休憩する様子
遅めの軽食はピザトースト。長かった一日の最後に、ようやく落ち着いて腹ごしらえです。

クマに出会い、道にも迷い、峠では鹿にも出会って、それでも最後は道の駅でピザトーストを頬張っている――。

終わってみれば、なかなか「充実した?」一日でした(笑)。

ここでひと息ついたら、あとはADV160で自宅へ。

Mountain WalkingとADV160 Touringがひとつにつながった今回の旅も、これにて終了です。

まとめ

今回目指したのは、長野県佐久市の山中にある**「日本で海岸線から一番遠い地点」**。

ADV160で山あいまで走り、そこから自分の足で林道と登山道を歩いて海遠点へ。さらに榊山南峰を経て榊山まで足を延ばしました。

目的地そのものは、華やかな観光地でも、素晴らしい展望が広がる山頂でもありません。それでも、「日本でここだけ」という場所を自分の足で目指し、実際にそこに立つことには、また違った面白さがあります。

そして今回、強く印象に残ったのは予定していなかった出来事の数々でした。

榊山からの下山途中ではクマと遭遇。その後にはルートを外して広い尾根をさまようことになり、無事にADV160のもとへ戻ったときには、さすがにホッとしました。

佐久市臼田支所で到達認定証を受け取ったあとは、再びADV160 Touringへ。

田口峠を越え、途中では鹿と出会い、山あいに佇む線ヶ滝にも立ち寄り、最後は再び「道の駅しもにた」へ。

振り返ってみれば、山を歩き、野生動物に出会い、峠を走り、滝を眺めるという、ずいぶん盛りだくさんな一日になりました。

歩いてしか行けない場所へは、自分の足で。
そこまでの道、そしてその先へはADV160で。

Mountain WalkingとADV160 Touring。

普段は別々のシリーズとして紹介している二つの楽しみが、今回はひとつの旅として自然につながりました。

「日本で海から一番遠い場所」まで行っても、旅はそこで終わりではありません。

その先にも、まだ道は続いている。

そんなことを改めて感じた今回の旅でした。

関連サイト

note Vlog
「日本で海岸線から一番遠い地点」への山歩きから榊山、田口峠、線ヶ滝まで、今回の旅を詳しく紹介しています。

YouTube「Shinちゃん寝る」
今回の旅の動画を公開後、こちらにもリンクを追加します。

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