ADV160で走る奥日光・山王林道

西沢金山跡を訪ねる秘境ツーリング

8月19日、ADV160で奥日光へ。
今回走ったのは、川俣温泉と光徳・戦場ヶ原方面を結ぶ山深い山王林道です。

大笹牧場で朝の腹ごしらえを済ませたあとは、川俣温泉を経て、深い森の中にひっそりと残る西沢金山跡へ。かつて多くの人々が暮らし、金の採掘で栄えた場所も、今ではその痕跡を残しながら静かに自然へ還りつつあります。

そこからADV160で山王峠を越え、奥日光の光徳牧場へ。
林道、鉱山跡、高原の牧場、そして温泉――景色と空気が次々と変わっていく、夏のツーリングとなりました。

今回は、ADV160とともに走った山王林道と西沢金山跡を巡る一日をご紹介します。

奥日光・西沢金山跡付近の赤茶色の岩肌を流れる滝
西沢金山跡付近で出会った、赤茶色の岩肌を流れ落ちる滝

Exploring the Sanno Forest Road and Nishizawa Gold Mine Ruins by ADV160

On August 19, I took my Honda ADV160 on a summer touring trip through the mountainous Oku-Nikko area of Tochigi Prefecture.

Starting from Ozasa Farm, I traveled through Kawamata Onsen and along the Sanno Forest Road, stopping to explore the remains of the Nishizawa Gold Mine, once a thriving mining community hidden deep in the mountains.

After crossing Sanno Pass, I continued to Kotoku Farm and finished the journey with a relaxing soak in the sulfur-rich hot spring at Nikko Astraea Hotel.

It was a memorable day combining a scenic motorcycle ride, traces of local history, peaceful highland scenery, and an onsen — another refreshing moment on the road with my ADV160.

📸 今回の見どころ

🐄 大笹牧場から山王林道へ

朝9時前、最初の目的地となる大笹牧場に到着しました。

夏の朝に訪れた日光霧降高原の大笹牧場
朝9時前、この日の最初の目的地・大笹牧場に到着。

標高約1,000mを超える高原に広がる牧場は、夏でも朝の空気が爽やか。青空の下に広がる緑の牧草地と、その向こうに連なる山々を眺めていると、早起きして走ってきた甲斐があります。

青空の下に緑の牧草地と山並みが広がる大笹牧場
青空と緑の牧草地が広がる、朝の大笹牧場。

まずは牧場内を散策し、開店したばかりのジンギスカンハウスへ。
この日はまだ先が長いので、ここでジンギスカンをいただいて早めの腹ごしらえです。

開店したばかりのジンギスカンハウスへ。
大笹牧場のジンギスカンハウスでジンギスカンを食べるShin
この先の山王林道に備えて、ジンギスカンで腹ごしらえ。

食事を終えたらADV160に戻り、いよいよ今回のツーリングの舞台となる山深いエリアへ。

大笹牧場から山王林道方面へ向かうADV160
腹ごしらえを終え、ADV160で山王林道方面へ。

大笹牧場の開放的な高原風景から一転、道は次第に深い森の中へと入っていきます。

次に向かったのは、川俣温泉。
以前は間欠泉が吹き上がることで知られていた場所ですが、今回訪れてみると、その様子にも変化がありました。

🏍️ 川俣温泉を抜けて山深い道へ

川俣温泉に到着し、立ち寄ったのが川俣温泉間欠泉です。

かつては一定の間隔で熱湯を高く噴き上げる姿が見られ、川俣温泉の名物として知られていました。しかし、近年は噴出の勢いが弱まり、現在はその姿を見ることができなくなっています。

川俣温泉の展望台から見下ろした間欠泉の噴出口付近
かつて高く湯を噴き上げていた川俣温泉間欠泉。訪問時は静かなままでした。

訪れた日も間欠泉は静かなまま。
展望台から鬼怒川の渓谷を眺めると、かつてここから勢いよく温泉が噴き上がっていたとは思えないほど、穏やかな風景が広がっていました。

川俣温泉間欠泉の橋から望む鬼怒川の渓谷
間欠泉の橋から望む、緑に包まれた鬼怒川の渓谷。

間欠泉をあとにして、再びADV160で出発します。

川俣温泉周辺を抜けると、道はさらに山深くなり、周囲を深い森に囲まれた山王林道へ。

この先で立ち寄ったのが、今回のツーリングで特に訪れてみたかった西沢金山跡です。

⛏️ 森に眠る西沢金山跡を訪ねて

山王林道をさらに進み、今回特に訪れてみたかった西沢金山跡に立ち寄りました。

西沢金山跡 map
YAMAPの地形図で見る西沢金山跡。山深い谷あいに、かつての鉱山跡が残されています。
舗装路が終わり谷沿いに続く踏み後をたどっていくと奥の荒れた河原に出ました。
西沢金山跡へ続く道に設置された車両進入禁止ゲート
車両進入禁止のゲートから先は、ADV160を置いて徒歩で西沢金山跡へ。
西沢金山跡の山中に残る土砂や石が散乱した旧道
土砂や石が散乱する道をたどり、西沢金山跡のさらに奥へ。

林道から少し歩いて森の中へ入ると、現在の静かな山の風景からは想像しにくいほど、あちこちに人の手が加わった痕跡が残っています。

西沢金山は明治から昭和にかけて開発された金鉱山で、大正期の最盛期には約1,300人もの鉱山関係者や家族が暮らしていたといわれています。山中には採掘施設だけでなく、住宅や学校、病院、販売所などもあり、ひとつの町のような生活圏が形成されていました。

しかし、鉱山が閉じて長い年月が過ぎた現在、その多くは深い森の中へ。

道に散乱する石や土砂を越えながら奥へ進むと、崩れた構造物や石積みなどが次々と姿を現します。今では深い緑と静けさに包まれたこの場所に、かつて多くの人々の暮らしがあった――そんな時間の隔たりを感じながら歩いていきました。

西沢金山跡の森の中に残る石積みの遺構
草木に覆われながら残る、西沢金山跡の遺構。
草木に覆われた西沢金山跡の人工的な構造物
深い森の中に点在する、かつての鉱山の痕跡。

さらに沢沿いを進むと、赤茶色の岩肌を水が流れ落ちる滝が現れました。

さらに沢沿いを進むと、赤茶色の岩肌を水が流れ落ちる滝が現れました。
西沢金山跡の奥で出会った、赤茶色の岩肌を流れ落ちる滝。

緑に包まれた森の中で、この一帯だけ岩肌の色が大きく異なるのが印象的です。資料によれば、西沢ではこうした岩盤に鉱脈が見られる場所もあり、この山がかつて金鉱山として開発された地であることを、地形そのものからも感じさせます。

今では訪れる人も少ない静かな山中ですが、そこに残された痕跡を眺めながら歩いていると、単なる「廃鉱跡」というより、かつてここにあった人々の暮らしそのものを訪ねているような場所でした。

🌲 山王峠を越えて光徳牧場へ

西沢金山跡の探勝を終え、再びADV160で山王林道を走ります。

深い森に包まれた道は、ところどころ路面の荒れた箇所もあり、周囲の景色を楽しみながらも慎重に走行。大きく視界が開ける場所は少ないものの、木々の間を縫うように続く道には、山岳林道ならではの雰囲気があります。

緑深い山王林道を走るADV160
深い森に包まれた山王林道を、ADV160で奥日光へ。

途中、Insta360 X5を取り付けた自撮り棒の先に一匹のトンボが止まるという、ちょっとした出来事も。エンジンを止めて休憩している間もなかなか飛び立たず、思いがけない小さな旅の相棒になってくれました。

山王林道でInsta360 X5を取り付けた自撮り棒の先に止まったトンボ
Insta360 X5の上でひと休み。山王林道で出会った小さな旅の相棒。

さらに標高を上げて山王峠を越えると、やがて奥日光側へ。

山王林道沿いにある旧山王峠0.3kmと光徳2.4kmを示す木製道標
旧山王峠へ続く山道との分岐。道標には「山王峠 0.3km」の文字が残ります。

林道を抜けた先で立ち寄ったのが、木々に囲まれた光徳牧場です。

山王林道を抜けて、奥日光の光徳牧場に到着。
光徳牧場の緑の草地で休んだり草を食べたりする牛たち
光徳牧場の草地では、牛たちがのんびり。山王林道を走ってきた後だけに、この穏やかな風景にはほっとします。

朝に訪れた大笹牧場とはまた違い、山深い奥日光らしい静かな雰囲気。長く林道を走ってきたあとだけに、緑に囲まれた牧場の風景にほっとひと息つくことができました。

このあとは、すぐ近くの光徳温泉へ向かいます。

♨️ 光徳温泉でひと休み

光徳牧場を散策したあとは、すぐ近くの日光アストリアホテルにある光徳温泉へ立ち寄りました。

奥日光・光徳温泉にある日光アストリアホテルのエントランスと案内看板
光徳温泉の日帰り入浴で立ち寄った日光アストリアホテル

山王林道を走り、西沢金山跡を歩いたあとの身体には、やはり温泉がありがたいところ。森に囲まれた静かな環境の中で、露天風呂に浸かりながらひと休みします。

光徳温泉ともち子さん。
光徳温泉は、奥日光・湯元温泉から引かれた源泉を利用した温泉です。
日光アストリアホテルでは内湯のほか、自然に囲まれた露天風呂も楽しめます。
白濁した硫黄泉らしい温泉で、ツーリング途中の疲れを癒やすにはぴったりでした。

大笹牧場から川俣温泉、西沢金山跡、そして山王林道と走ってきた一日。ここまでの道中を思い返しながら湯に浸かっていると、ようやく身体の力が抜けていくようです。

光徳温泉の日光アストリアホテルで日帰り入浴を楽しんだ後の様子
光徳温泉でひと休み。山王林道を走ったあとの温泉は格別でした。

このあとは再びADV160に乗り、奥日光をあとにして帰路へ向かいます。

まとめ

今回のツーリングは、大笹牧場を出発して川俣温泉を抜け、西沢金山跡へ。そして山王林道を越えて、奥日光の光徳へと走る一日となりました。

観光地を巡るだけではなく、ADV160を停めて森の中を歩き、かつて多くの人々が暮らし、働いていた場所の痕跡に触れた西沢金山跡。そこから再びバイクに乗り、深い森に包まれた山王林道を走っていくと、同じ日光でも場所によってまったく違う表情を見せてくれます。

山王林道を抜けた先では光徳牧場の穏やかな風景が待ち、最後は光徳温泉でひと休み。走る、歩く、歴史に触れる、そして温泉で身体を休める――ADV160だからこそ楽しめた、変化に富んだツーリングになりました。

有名な観光スポットだけを目的地にするのではなく、その途中にある道や、ふと立ち寄った場所まで楽しんでみる。そんな時間もまた、私にとっての「整う時間」なのかもしれません。

またADV160と一緒に、まだ知らない道の先を訪ねてみたいと思います。

関連サイト

note Vlog
写真を交えながら、今回の山王林道ツーリングをより詳しく紹介しています。
大笹牧場でのジンギスカンから、川俣温泉、西沢金山跡の探勝、山王林道を越えて光徳牧場・光徳温泉へ――一日の旅の様子や道中で感じたことを、Vlog形式でまとめました。

YouTube「Shinちゃん寝る」
今回の旅の動画を公開後、こちらにもリンクを追加します。

西沢金山跡にある滝
西沢金山跡の滝。鉱山跡の岩肌を流れ落ちる水。赤茶けた岩石と深い森が、この場所独特の景観をつくっている。

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